お金の学習

05_職場体験へ向けた事前学習(中学生対象)

実施年度

令和元年度~令和3年度

目的

生徒の勤労観・職業観の醸成を図り、人間関係形成能力の必要性や自己の生き方について、考えるきっかけ作りを目的とします。主に職場体験の学年を対象とし、学校個別の課題や希望をキャリア教育に反映して実施。職場体験時のみでなく生徒の将来にも役立つよう、働く上で必要なマナーを学び、実践練習を通して身に付けます。さらに、自己理解を深めるワークや、主体的に生活を設計し自己の生活について考える足掛かりとしてライフプランのワークも取り入れます。

実施内容

キャリアプランニング能力や人間関係・社会形成能力、自己理解が高まるよう、プログラムは基本的に「働くこととマナー」「社会人講話」の2部構成で実施。新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、市内中学校の職場体験の中止が決定しましたが、事業実施後、学んだ事を学校生活の中で実践することで、生徒自身が将来を自分事として捉え、学校生活と社会との結びつきを意識し、より効果を引き出すことが期待できます。また、マナー講師や学校との仲介役を担うことにより学校の負担を軽減します。
① 働くこととマナー(2コマ)  ② 社会人講話(1コマ~2コマ)

対象(令和3年度)

うるま市内の中学校12校で実施(対象学年:1-3年生)
・石川中学校1年生   ・伊波中学校1年生    ・あげな中学校1年生   ・具志川中学校1年生
・具志川東中学校1年生 ・高江洲中学校1年生   ・与勝中学校3年生    ・与勝第二中学校2年生
・彩橋中学校1年生   ・津堅中学校1~3年生   ・与勝緑が丘中学校2年生 ・アミークス中学校8年生

モデルケース(マナー学習)

実 施 日:令和3年6月24日
対  象:うるま市立与勝第二中学校2年生
講  師:山内 真央・若竹 眞彦(NO MARK株式会社)

担当教諭からの要望で挨拶や電話応対、名刺交換等の実践を重点的に行った。補足資料を活用しながら進行。生徒は講師側からの発問に対しても活発に応え、実践練習においても積極的に取り組む姿勢が見られた。

モデルケース(社会人講話)

実 施 日:令和3年9月30日
対  象:うるま市立彩橋中学校1年生
講  師:ANINE ART WORKS デザイナー 山里 秀太氏

お仕事の内容ややりがい、きっかけをはじめ、講師自身の中学生時代のお話、仕事をするうえで意識していることについて講話していただいた。講師から生徒へのメッセージとして、「仕事をする上では相手の言っていることを理解しようとする姿勢・聴く姿勢が大切」「自分が勝負できることや好きなことを見つけて究めて将来に生かしてほしい」と言葉をいただいた。
※生徒人数が少ないこと、密にならない環境を確保できることから対面での講話を実施、感染症拡大防止の観点からYouTubeにてインタビュー動画を公開。

アンケート結果(令和3年度・一部抜粋)

※令和3年度 うるま市内中学校12校 対象生徒に向けてのアンケート
 事前アンケート集計 1252名/1422名(回収率88%)  事後アンケート集計 1171名/1422名(回収率82%)

生徒の感想

○マナーを教わり、実際に社会に出て働いている人の話を聞いてとてもためになりました。マナー講座では、自分が知らなかったマナーを学んで、今まで大丈夫だと思っていたことが失礼だったと気づくことができました。また、大人になった時のお金の使い方や、将来の夢について考えることができるいい機会になりました。気になる職業で実際に働いている人の動画を見ることでどのような仕事をするのかのイメージや、働きがいなどがわかりました。
○いろんな職業があると同時にいろんな地域への貢献の仕方があるんだなと思いました。Youtuberなどみんなを喜ばす職業、医者だったりスーパーの店員だったりみんなの生活を快適にする職業。自分も何か誇りを持ってやれる職業がいいなと思いました。みんなを幸せにするという理由だったらどの職業も一緒なのだなと思いました。

教員の感想

○職場体験学習や、マナー講習、社会人講話等、以前なら学校で手配していた内容をサポートしていただけるのでとても助かっています。コロナ禍で講師をお呼びできない時期も動画配信で対応していただけるのでありがたいです。
○生徒の作文(感想)にも書かれてありますように,職場体験への意気込みが高まり,特に直後の電話連絡や打ち合わせの訪問では,いつにないポジティブな緊張感を持って挑んでおりました。学校だけではこのようなモチベーションを高めることはできません。ありがとうございました。

所感・考察

マナー学習に関しては例年通り実施したが、新型コロナウイルス感染症の影響により、実施時期によってコマ数を減らし、生徒間の接触を避けるために名刺交換や電話応対の実践を控える形となりました。社会人講話は原則として動画での提供となり、対面形式と比べると主体性に欠ける点が課題となるものの、生徒や教諭からは、様々な職業の方のお話を視聴できることや、繰り返し視聴できることが利点としてあげられました。実施後のアンケート「働くことや将来について考えることができたか」という質問には、およそ9割の生徒が肯定的な意見を示しており、キャリア教育の基礎的・汎用的能力である「人間関係形成・社会形成能力」「キャリアプランニング能力」「自己理解・自己管理能力」に加え、「ライフプランニング」「郷土愛」の質問においても意識の向上が見られます。特に「ライフプランニング」「人間関係形成・社会形成能力」は肯定的な回答が大幅に増えており、「ライフプランニング」においては、マナー学習での実践(自分未来シートの作成)、動画の「お給料の使い道」が影響し、「人間関係形成・社会形成能力」に関してもマナー学習、動画を通してあいさつの大切さや他者とコミュニケーションを取ることの重要性・意識づけが大きく影響を与えたと考えられます。生徒の感想から「マナー・将来・社会・やりがい」といった単語が現れたことで「働くうえで大切なこと」「将来に向けて今から取り組むべきこと」への意識が読み取れました。

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